鎌  倉  の  大  仏

     『かまくらや みほとけなれど釈迦牟尼は
                 美男におはす 夏木立かな』

正面から見る鎌倉露座の大仏です
と与謝野晶子に詠わせた鎌倉の大仏は、寺の名前は知らなくても、露座の大仏として修学旅行や観光でお出での皆さんはご存知と思います。
 この寺の名は、「大異山高徳院清浄泉寺(だいいざんこうとくいんしょうじょうせんじ」と言い、浄土宗のお寺です。創建は暦仁元年(1238年)と言われております。しかし、謎の多いお寺さんで、開山、開基ともに本当は不明なんだそうです。
 言い伝えでは、源頼朝の侍女・稲多野局が思い立ち、僧浄光が資金集めをして作ったと伝えられているそうです。そうした意味では時の権力者が開基などに関わったのではないようで、このころの社寺建築では異例の生い立ちのようで御座います。
 暦仁元年(1238年)に着工して、六年後に完成した大仏は当初木造でした。しかし、宝治元年(1247年)大風で倒壊、建長四年(1252年)に現在の青銅製の像が鋳造され、大仏殿に安置されたと言うことです。
 それから大仏殿は二度にわたる大風にあい倒壊、その都度復興されました。明応七年(1498年)に今度は大仏殿を津波で押し流され、それからは露座の大仏として今日に至ってるんだそうです。 
 大仏鋳造の歴史は定かでは御座いませんが、大仏を鋳造した人物として大野五郎右衛門、丹次久友の名が伝えられております。
 鎌倉の大仏は、その重量が121トンと言われ、仏身総高さ(台座を含む)は約13.35メートル、青銅仏身は11.312メートル、螺髪数(頭上の巻毛のこと)は656個あるそうです。



    宗   派   浄土宗
    山号 寺号   大異山高徳院清浄泉寺
    創   建   暦仁元年(1238年)
    本   尊   阿弥陀如来
    寺   宝   本尊銅造阿弥陀如来像は国宝に指定されている。
    住   所   鎌倉市長谷4-2-28
    拝観 時間   7時から18時まで


                                                       
                    この大仏を詠んだ詩は幾つもあります。その中から二首を。

  鎌倉の大仏様の横顔です                  
      火に焼けず雨にも朽ちぬ鎌倉の
      はだか仏は常仏かも
               正岡 子規 


      『かまくらの大きほとけは青空を
       み笠と着つつよろず代までに
       みほとけの尊く放つ御光を
       仰ぐすなはち罪ほろぶとふ
       こしかたの かさなる罪も御仏の
       光に浴みて消えざしめやも』
               伊藤 左千夫